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根の話

前回のエントリーで根上りの修繕工事のことを書いたのですが、そこで使うパワーミックスの話をする前に普段は土の中で見えない根っ子の話を。

樹木はから栄養を吸収します。栄養を吸収する時、植物は形成層の内側の導管を使い水と一緒に栄養分を葉まで運びます。そして光合成をおこない必要な養分を吸収します。栄養分を吸収するのは我々はケバ根と呼んでいますが、吸収根という非常に細い細根部分です。根も枝と同じように太い根から細い根に枝分かれしています。根の先端部分の細い部分で栄養を吸収するのです。クドイようですがここが大事だと思います。植木は基本的に枝張と同じだけ根を伸ばしているといわれています。実際に植木の周りを掘り起こすとその通りのことが多いです。これは枝張りの一番外側に雨が落ちるからではないかなと思います。突然の夕立などで雨宿り。植木の中でも枝葉があるのである程度雨宿りできます。ということは、枝張りの中は外側に比べ雨水が少ないです。植木はバカではないし生きるのに必死なので必然的に水分の多い場所に吸収根を多く出します。自分の枝張りの面積に降る雨水を一番効率よく吸収する方法を自然に行っているのでしょう。

例外はあります。まず、自然界では傾斜地などに生えている木が、倒れないように支持根を多く出す場合。幹は傾いて生えるのですが、根は幹の傾きと反対に多く出て、倒れないように踏ん張ります。そして、枝先に栄養分がない場合。植木に水を与え、植木は根から水分を吸うのですがこれは植木がのどが渇いて水を飲みたがっているのではなく、水に溶け込んでいる栄養分を導管現象で吸い上げるために水分を必要とします。なのでいくら、雨水が多く当たる枝先でも、肝心の栄養分が不足していれば細根を発達させても無駄なのでその外まで栄養を求めて根を張ります。良く新人に「植木は流動食しか食べれないから水と一緒に栄養を吸収するんだよ」と説明します。根が遠くまで張ると、根が太ります。街路樹の植わっている周りの歩道が、根によって持ち上げられるのは植木の成長に必要な栄養分が足りないため、遠くに栄養を探して根を伸ばした結果根が太り舗装が持ち上がってしまうのです。そこで登場するのがパワーミックスですが、パワーミックスの話はまた今度で、植木が養分を吸収する仕組みの基本をもう少し。

植木は流動食を食べる(飲む?)のだけど下から上に行くのはなぜ?形成層の内側で導管があり導管現象で水分が上に上がっています。植木の葉が光合成をするのは有名ですが、葉は、絶えず水分を蒸発させています。根から上がった水分が葉で蒸発するので、水分が上に上がっていきます。落葉樹が冬場に葉を落とすのは、葉に向かった水分が、導管の中で凍るのを防ぐため導管現象をストップさせているという説がありますが、私はこの説に賛成です。比較的暖かい地域に自生する植木は常緑樹が多いことともつじつまが合います。また、このことから落葉樹の移植を冬場に行うのが良いとされているのも、幹の中の水の動きが止まるためです。逆にあまり寒い時期に常緑樹の移植を行うと常緑樹は寒さに弱いのに加え、若干ですが葉から水分を蒸発させているので、木が弱ります。(まあ、どんな時期でも移植させると木は弱るのですが)葉から水分が蒸発するので、俗にいう渇きに弱い木を見分ける時も葉が薄い種類の木は水分蒸発で葉が縮れやすく、逆に葉の厚い種類は少々の乾燥にも耐えます。

そして、“強剪定による枝葉の減少”、私の持論では、樹木は自然に根と葉の量のバランスが一番良い状態を保持します。葉から蒸発する水分に対し根が少ないと養分を十分に吸い上げられないので、枯れます。移植時に枝抜きをするのは、根を切った分だけ葉の量を減らすのが一番の目的です。その逆、根に対して葉が少ない場合は、根から吸い上げた水分が蒸発する部分がないので、幹の中でたまり、幹に洞が出来たりして腐らせます。そこまでいかずとも葉がなくなった分植木は多くの葉を出し葉の表面積を確保しようとします。ケヤキやカシなどの強剪定をした直後によく見られるのですが、葉の表面積を稼ぐために一枚一枚の葉が大きなものが出ます。また、一度根が張り出しているので上部を多く剪定しても吸収根が多い元の葉張りに戻ろうとする力が多く働くような気がします。植木が、美しい葉形を形成するためにも強剪定を避け、小枝の多く葉の細かい木になるようにこまめな剪定が必要だと思います。我々は、木が暴れる、木が落ち付くという言い方をするのですが、剪定して葉の量を減らすと、根と葉のバランスが崩れ新しい植木が葉を出そうとします。一度に葉を落としすぎると枝葉をたくさん出そうとするので葉のバランスが崩れます。かといって、剪定を何もしないと、光合成が盛んに行われ幹が太り成長が早くなります。

このように、植木の剪定はその姿形を整えるのですが、根と葉のバランスを考え、庭のバランスを考え、木を落ち着かせ、やわらかい枝先を眺めることのできるように見えないところにも気を遣うことで木と会話していく手入れが必要であると思います。

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