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今の日本は「スタブ」だらけ

Stubについての話

Stub(スタブ)とは?

枝折れや梢端切された残りの枝や幹の形状のことを言います。
つまり、枝の分岐部分ではなく、小枝もなにもないところで先端を切断された枝や幹です。

電線や道路にかかる枝、敷地からはみ出た枝など、人間生活に支障になる枝が「スタブ」にされることが多いです。多くの場合は、樹木の専門知識を持たない人々(送電業者や、道路管理者)がこのような枝切り(あえて剪定とは言わず)をすることが多いのです。

あまりにも当たり前の光景となりつつある、このような枝切りですが、樹木本体にとってどのような影響があるのでしょう?

人為的なものに限らず自然の風などの枝折れでも、樹木の切り口からは空気中の菌が侵入します。菌類は普段から無数に空気中に漂っているのですが、常時樹木は樹皮によって、菌の侵入を防いでいます。枝を切断するときには、樹皮がきちんと生成される箇所で切断しないと樹木内の古い細胞組織で作られている芯材を腐らせることとなります。なので、以前書いたように樹皮が形成することが出来るような過箇所での切断が必要になってきます。ただし、きちんとした箇所での切断が行われても、樹皮を巻き込むときに使われる糖類を生産するのは、その枝・幹の先端にある葉の光合成によるものなので、枝先に葉がない状態にされた「スタブ」では傷口を塞ぐことが出来ません。そのため、菌類により枝を弱らせ、時には幹内部まで腐朽菌が侵入し、構造的に木を弱らせるので、折れやすい木になりやすい。しかし、多くの場合はスタブから無数の枝葉が吹くので、残されたスタブは元気よく芽吹き直したように見えますが、そのような萌芽は、切り口の内側(元側)にある葉なので、光合成産物を傷口を塞ぐことには使えません。また、萌芽した枝は幹との接合が弱いため、強風などの外力が加わると、簡単に欠落してしまいます。上部での梢端切で吹き直した枝は、とくに欠落が多いのです。
反対に、下枝でのスタブでは、たとえ小枝が萌芽しても、上部の枝葉の影になって枯枝となる確率がかなり高くなります。枯枝となるとやがて落下しますから、危険な枝になることには変わりないです。

この写真は桜なのですが、桜は腐朽が進みやすいので、元側にある枝を通り越して、枝の付け根まで腐朽が進んでしまっています。落とす枝を、枝分かれしている箇所できちんと切り返さないとこのようになります。

日本は高温多湿な気候なため、スタブ状態にされた枝も萌芽し、乱雑な切り口も隠れ気味ですが、弱い枝を作ることになります。芯材を腐らせるまでには時間がかかります。野外に放置された木材が、ゆっくりと腐るように、10年単位の時をかけて傷んでいきます。スタブ状態にしたことを忘れられたころに突然、強風などの外力により枝が落ちます。

台風で太枝が落下した木の原因究明することが大切です。この枝の先端側にも大きな切口がありました。そこから枝の根元まで腐朽が広がって、強風により枝が落下してしまいました。

近年の台風の大型化により、大きな枝が落ちることがありますが、多くの場合は人為的な原因があります。風を受けないように樹形を縮小しても、いずれ戻っていったときに、腐朽により弱くなってしまっていることも多々あります。
風に揺られ、樹木自身が枝を堅固にしていきながら大きく成長させるほうが、長年に渡って安全な状態の樹木になるということです。

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