11.62012
スラタナプ
自分でBlogを始めるよりもずっと前、多分10年くらい前によく読んでいた庭師のBlog。
もう閉鎖してしまったけれど、仕事に対する姿勢がとても尊敬できた一人親方のBlog。
一人親方なので、ちょっと大きい庭工事には、頼れる仲間を応援に呼び、仕事がない時には、造園会社の応援に行くという。よくある一人親方の日々の仕事の雑感が詰め込まれたBlogだった。
たまに思い出す「スラタナプ」というエントリー。
ある日、造園会社に応援に行った筆者が、応援先の会社の若い衆を助手席に乗せ、現場に向かっていると、助手席の若い衆が、
「スラタナプ、スラタナプ」
とブツブツ外を見て言っている。
「どうした?」
と言うと。
「あの街路樹はスラタナプっていう名前なんですね」
不思議に思い、街路樹を見ると、プラタナスの並木。
そこで、すぐさま、「プラタナスだよ」とは言わない。
名札を見て、スラタナプと一生懸命覚えている若い衆を、評価するのです。
きっと、イヤ絶対に植木屋を続けていればスラタナプというのが間違えであると気付くはず。
そこでプラタナスは、絶対に忘れない樹木 になるはず。
こう言っていた。
「いいんです。彼は必ずスラタナプがプラタナスであると分かる日が来るのです。」
ちょうど自分も、人を使い始めた頃。
何でも感でも「違うだろ」と教えまくっていた頃。
まさに目から鱗。
間違えを正さずとも、自ずと、正解が来る事がある。一度間違えたことこそ、正解が判った時には決して忘れないものになる。
自分だって、一年生の時に
「あの木の名前判るか?」
と言われて「わかりません」
「フラワー ウォーター ツリーだよ」
と言われてピンとこなかった。
いいんです。その時にわからなくっても。
そのうちにわかればいいんです。
株式会社髙樹園
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