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ナラ枯れ被害

最近、夏の緑の山が、一部茶色に変色しているのを見かけませんか?

弊社が店を構える静岡県三島市では、一昨年の夏から、茶色く枯れ葉に覆われた木が、山のあちこちで目立って見られるようになりました。

茶色く変色する原因は、カシノナガキクイムシによるナラ菌が原因です。

カシノナガキクイムシの被害が厄介なのは、木の中に潜入(正確には木をかじりながら穴を開けて入るので穿入)した成虫が、木の中で産卵・蛹化・羽化して翌年は次世代の新成虫が、新たな木に侵入し、木を枯らしてしまうので、被害が収まらないことです。

先日近所で撮影しました。右側が去年の被害木(クヌギ)で、左が次世代の成虫が侵入した今年の被害木です。

樹木医会でも、カシノナガキクイムシ被害を抑えるための対策セミナーを多く開いていますが、山の中の被害木の駆除をするのが一番確実な方法のようです。被害にあった木を、よく春に次世代が飛び立つ前、理想としてはまだ幼虫であるときに、伐採し、伐採木を焼却処理・チップ化・薬剤による燻蒸処理のいずれかの方法で処理し、次世代を空に放たないという方法です。単に伐採して材を処理しませんと、伐採された木から次世代が羽化してとびたってしまうため被害拡大は収まりません。

そして、ここ数年山の中の被害にとどまらず、人里の造園植栽された木にも被害が広がっています。ナラ枯れは、その名の通りナラの仲間、コナラ・クヌギ・ミズナラが被害に合うことが多かったのですが、同じどんぐりの仲間である、カシ・スダジイ・マテバシイも多く被害にあっています。カシノナガキクイムシが侵入するとナラ菌が樹木の通水機能を奪うため根から吸い上げた水が葉まで上昇しません。枯れた木は何年も立っていられないので、数年で朽ち果てて倒れてしまいます。人々の生活空間の被害木は、早急に処理する必要があります。特に、機械が入れない場所ではロープを使いツリークライミング®の手法で伐採するため、人が登っても耐えることが出来る強度がある内に伐採しないと、足場を組むような大規模な工事になってしまいます。

弊社で剪定に入らさせて頂いている神社でも、去年の夏にシイノキやシラカシが被害にあいました。

被害木の根元部分はフラスと呼ばれる木くずと糞が混ざったものが確認できます。

夏に突然葉が茶色くなり、根元がこのような状態になっていたら、間違いなくカシノナガキクイムシ被害です。

お施主様は非常にご理解があり、早期に伐採処理させていただくことが出来ました。

以前は、山間部の大きなクヌギやナラが多く被害にあっていましたが、山での駆除が行われないため、人里でのカシやシイの仲間の被害が目立っています。被害拡大をおさえるため。また、枯れて放置された木が倒れる被害を無くすためにも、必ず被害にあった年に処置することが必要です。

 

 

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