2.262011
ネアガリ
小麦が18%値上りらしく、パンなども値上りするらしいです。今、髙樹園も“ネアガリ”工事中。
こちらは工事価格の“値上り”ではなく歩道の“根上り”です。数年前から定期的に受注している工事なのですが、街路樹の根が成長して歩道の舗装を持ち上げてしまい、歩道に段差ができてしまうため、夜など躓く人がいるので、歩道の修繕工事です。街路樹は小さな植枡の中で過酷な状況にさらされています。植木は根の周りの土から養分を吸い成長するのですが、植枡の面積が少なく養分が少ないため成長すると植枡の外に根を伸ばし養分を吸います。しかし、植枡の外は車道、歩道、側溝に囲まれ、舗装が沈下しないよう転圧され締め固まった土でできています。植物が好むフカフカの土は存在しません。そこで、植木はさらに遠くに根を伸ばし養分を求めます。そして、遠くに根を張るということは、根が伸び太くなっていくということです。根が太ると歩道の舗装は持ち上がり段差が生じます。これが街路樹の“根上りです”。
少し前までは、根が歩道に行かないように防根シートを張り、舗装を持ち上げないようにするのが一般的でした。しかし、樹木は成長するのに必要な栄養を求めて根を張るので、植物の性質を無視した施工方法であると思われます。それでは、植物にとって成長するのに必要な養分の詰まったフカフカの土を周りに与えてあげたいのですが、フカフカの土では歩道として機能しません。そこで、最近では“パワーミックス”という商品を使いパワーミックス工法を官庁にもおすすめしています。これは石の間に樹木が成長するのに必要な栄養分が詰まったもの、石を締め固めるのでその上にアスファルト舗装やインターロッキング舗装をしても沈みません。歩道として機能します。
施工方法は、一度歩道の舗装を撤去し、舗装の下の部分(路床部分)にパワーミックスを入れます。その際支持根と呼ばれる、植木が立っているのに必要な根を切らないように掘ります。舗装の下の部分の土なので、転圧されてカチカチになっているので掘るのが大変です。この時に威力を発揮するのが“エアースコップ”です。
単純な機械なのですが、これに50馬力のコンプレッサーをつないで、圧縮空気の力で土を掘ります。掘るというより崩すという感じでしょうか。締め固まった土もみるみるほぐれていきますが、根は傷みません。
このように硬い土の中から、根だけが現れます。このエアースコップですが、最初に購入した時は、保存木に指定されているシイノキの施肥作業でした。神社に植えられた樹齢350年以上の植木は、根の上が人が歩く踏圧により締め固められています。植木は枝の幅だけ根を張るといわれていますので踏圧で固まった土をほぐし、堆肥と有機肥料を与えました。
エアースッコプはガス管や、水道管が埋設されている場所を探す試掘作業にも使われます。エアースコップでほぐしながら掘り進めていけば、硬い土はほぐれますが、ガス管や水道管は傷みません。水道業者さんやガス会社さん、三島、裾野、長泉、清水町、函南、沼津あたりで、試掘作業に困っている方があればぜひご相談下さい。
パワーミックスと、植木の根の話はまた次回。
植栽工事で終わらず。植物が伸び伸びと育ち、人と共存する暮らしを作りたく、“植栽環境改善工事”に力を入れております。
株式会社 髙 樹 園
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