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パワーミックス

前回まで植木の根が栄養を吸うことを書きましたが、街路樹や、駅前広場など植木の周りが舗装(アスファルト、インターロッキング、石張りなど)されている空間での植栽では舗装の面積を広くとるため植木の周りまで舗装することがあります。高木を植栽するのに1m四方の植枡に土を入れただけでは樹木が必要な栄養分は確保できません。枝張り分だけ根を広げる植木の性質を考えれば5m四方10m四方と広い植栽土が必要になります。しかし、それでは、広場や歩道として機能しません。

土木的には舗装の下砕石の路盤層とその下の路床部分を締固め、沈下が起こらないように転圧をしてから舗装します。しかし、沈下が起こらないように転圧された土の中には根が張りません。また、この部分には栄養分が無いので植物が栄養を吸収するための吸収根(ケバ根)が発達しません。パワーミックスは、軽石を主成分とし、硬く締め固まった路床を形成するとともにこの中に植物が必要とする栄養分を入れることで吸収根を舗装の下に形成します。吸収根が、植木自身に近い場所で発達するので、植木は遠くまで根を張り根が太るという現象が起こらなくなってゆきます。そのため、舗装を持ち上げることが無くなるという仕組みです。

また、吸収根は、非常に細かい根で土をつかみますので、沖縄など台風の多い地域では倒木防止のために多数採用されているようです。

東邦レオさんのパワーミックス紹介ページ

施工は、まず、エアースコップを利用して支持根を残しながら既存の路盤をほぐし撤去します。

その後、パワーミックスを投入します。

パワーミックスを転圧します。

その上に砕石路盤を敷均し転圧し、舗装をします。これで、やわらかいけど硬い土、根が張る路床材パワーミックスの施工が完成します。今回は、すでに根が張ってしまった歩道の修繕工事ですが、新規の広場や、歩道にパワーミックスを施工して、修繕工事の無い、長期的に見て経済的な設計をしていくことが今後の課題だと思います。

植物が気持ちよく生育できる空間造りを目指して。

株式会社髙 樹 園

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