4.12013
ブランチカラー
先日「かろかろと摘まみ」自然に手を入れた剪定をすることを書いたのですが、
自然な樹形に剪定するには、剪定した切り口が目立たないように切ります。
また、自然なやわらかい枝を大事にし、育ち過ぎた太い枝を根元から落とす必要があります。
太い枝を落とす時も、切り口が目立たないように鋸で引くのですが、
下の写真のA.B.Cのうちどこで切れば良いのでしょう。
Cは論外ですね。幹から枝が数センチ残っていると、残った枝の部分が枯れてしまい見苦しくなります。
幹に沿ってAの位置で切ると自然に目立たないようですが、
実はBで切るのが良いと思います。
枝の付け根にはブランチカラー(”branch collar”、幹襟)と言う部分があり、ここには傷口をふさぎ形成層を復活させる栄養分が多く含まれているため、カルスと呼ばれる回復組織が傷口を回復すると言われています。
なのでブランチカラーを残して枝を落とすと傷口の回復が早いとされています。
先日のヤマボウシは、剪定を繰り返しているので、過去に太い枝を切った跡があります。
これはブランチカラーをすべて残していなかったためか、途中まで傷口が回復したのですが、回復しきれずにウロになってしまった切り口です。
ブランチカラーをしっかり残せば、傷口が回復し、次第に切り口が目立たなくなります。
少しコブのように出っ張ってしまっていますが、穴が開くよりは目立ちませんね。
この赤で囲まれた部分、ブランチカラーを大切にし、樹木の本来持っている治癒力で傷口をふさいであげる事が剪定で大切になってきます。