9.72015
駐車場コンクリート工事

三島のカーポート工事も残すはコンクリート土間舗装になりました。
土間コンクリートにはワイヤーメッシュを入れるのですがここで土間の配筋に関する私の考え。
通常の住宅の駐車場には呼び強度21Nの普通セメントコンクリート10cmの厚さで打設し、中に太さ6mmピッチ150mmのワイヤーメッシュ(溶接金網)を入れます。
ワイヤーメッシュを入れるのはコンクリートが割れにくく(クラックが入りにくく)するためですが、ワイヤーメッシュを入れてもコンクリートの強度が上がるわけではありません。コンクリート舗装自体の強度を上げるには異形鉄筋を入れて補強する必要があります。鉄筋自体が補強となりコンクリートを堅固にします。ワイヤーメッシュは無筋コンクリート扱い。ワイヤーメッシュを入れないとコンクリートが伸び縮みした時(特に縮んだ時)にコンクリートが開くのでクラックが入るのを予防しているのです。
なので、引っ張られるのを防ぐためにコンクリートの厚みの真ん中に入れないと意味がありません。たまに、砕石下地の上にメッシュをベタ敷してコンクリートを打設してあるののを見かけますが、これではコンクリートの伸縮時にメッシュの上を滑って伸縮してしまいます。そのためクラックが入るのです。
ワイヤーメッシュを浮かせるためにあらかじめスペンサーブロックというサイコロ状のコンクリートブロックを並べます。左の型枠との空きを”かぶり”と言い、鉄筋が空気中の水分に触れてサビが出るのを防ぐため、型枠の脇から5cm程度離します。
スペンサーブロックの寸法は4cmがベストだと考えております。コンクリート厚の中心にメッシュを持っていくためです。10cmのコンクリートの半分の5cmのブロックを使うとメッシュの太さが6mmで縦と横の重なりなので厚さ12mmとなり、大分上になってしまいます。
コンクリートは押しつぶす力には強いが引っ張る力には弱いという性質を持っています。実際コンクリートの強度試験は円柱状のテストピースを押しつぶしてつぶれないかを検査します。引っ張る方向には弱いので鉄筋で補強しています。ワイヤーメッシュを使用する場合も引っ張られる力を格子状の金網が受けることになります。
上の図のように、駐車場等の板状のコンクリートは、上からの荷重には板の下の方が引っ張られることになります。よって中心より若干ですが下の方に埋め込むため、10cmのコンクリートには4cmのブロックを使うようにしています。それ以下では逆に下地の砕石とのかぶり(空き)が少ないと考えます。
ワイヤーメッシュは1m×2mのパネル状になっているため、並べる労力を少なくしていますが、現場の状態に合わせた切詰では、強度不足になる部分が出てきます。
汚水桝の周りやカーポートの足の周りなどです。そのような場所は、コンクリートが細くなることにより貧弱で弱いクラックの入りやすいコンクリートになります。そのような部分は、10mmの異形鉄筋棒で補強します。
当社施工の駐車場のコンクリートはこのような考えで施工されています。コンクリートの打設後には目に見えなくなってしまう部分ですが、しっかりとした施工が、堅固なコンクリートを作り上げるので大事な部分です。