6.252010
niwaの植木たち
こんにちは、植木屋の高村です。
高樹園さんっていろんな事やるんですね。植栽、外構、庭、土木、ほ装・・・
外構屋さん、造園屋さん、フェンス屋さん・・・・
でも、いろいろやるのが、植木屋だと思っていいるし、植木屋さんって呼ばれるのが一番しっくり来るかな。最近は外構屋さんとか造園屋さんとか単語がいろいろ出来てしまったので、植木屋って植木のことを扱う職業みたいなイメージが出来つつありますが、、
植木の仕事って、簡単だよね、穴掘って、木を突っ込んで、水を入れて土を入れて、枝が伸びれば切って・・・
家の庭に木を植えてほしいんです。という依頼を受けて、植えていると、たまに(よく)言われること
「伸びちゃったら切ればいいんでしょ。どこ切ればいいの」
・・・・・お客様に対して失礼ですが、お返事に困ります。「ここと、ここですよ」と説明できません。自分の力不足かもしれませんが、答えることができません。もし、お答えできる力があれば、新入社員を一日の研修で一人前にして、人材育成、後継者育成に役立ち全員が即戦力になるでしょう。
枝を切ることは簡単です。ホームセンターに行けば鋏と鋸が売っています。最近では脚立も売っています。
我々植木屋は植木を切るとは言いません。自分の職業として植木と向かい合い相手を生物として敬い、愛情を持って、「鋏を入れる」「枝を落とす」「枝を詰める」と言います。自分の尊敬する植木職人は「枝をもらう」と言います。素敵な言葉です。相手は生物ですから、切られれば痛いでしょう。植木と会話し、植木それぞれが持つ性質、そこの環境、土質、さまざまな要素で落とす枝を決めます。
修行時代の親方に教わったこと
「切るも剪定、切らぬも剪定」
「切る」と言っているけど要は庭全体の手入れとして一本の木を見た時落とす枝がなくても手入れだし、翌年落とす枝を見極めて、今年鋏を入れる枝を見極める。「やみくもに切ってしまうのが剪定ではないよ」ということでしょう。「たばこを沢山吸わなければだめだよ」とも言われたことがあります。木に上がる前にたばこを吸いながら、庭全体と今から上ろうとしている木のバランスを見据え、不要な枝を判断し、そして木に登る。上から下まで鋏を入れたら、梯子、脚立を外す前に、たばこを吸いながら植木全体をよく観察し、落とし忘れた枝がないか観察する。仕事中のくわえたばこはいけませんが、その前後の段取りが大事なんだということでしょう。
園芸書にも庭木剪定入門みたいな本があり、「この木はこことここで切りましょう」みたいに書いてありますが、庭全体のバランスで落とす枝は変わるでしょう。その庭を造った庭師の設計意図を読み取り、庭全体を管理していくのが大事だと思います。
それはどんなに小さな庭でも一緒です。庭木が一本しかなくても一緒です。
庭木一本の手入れでも